二眼レフカメラの歴史において重要なマイルストーンを築いたローライ社の軌跡を辿る「Rollei Click(ローライクリック)ローライでパチリ -あるカメラブランドの歴史-」は、写真史におけるエポックメイキング作品です。
このドキュメンタリーは、創業者一族の証言と豊富な資料を基に、ローライ社の創業からその発展、戦時中の苦難、そして韓国サムスン資本下での新たな挑戦に至るまでの歴史を詳細に描き出しています。
カメラ愛好家にとっては、オークションのシーンやコレクターのコレクション、ローライのスライドマシンを使用したショーなど、興味深い映像が収録されており「ローライの歴史」というキーワードを体現する内容となっています。
公共放送でも放映されたこの映像作品は、ドイツ製カメラの歴史を深く理解するための貴重な資料であり、今なお新品で入手可能です。
- ローライ社の創業から現代に至るまでの歴史の流れ
- 戦時中のローライ社が直面した困難とナチスモデルのプロトタイプの存在
- 韓国サムスン資本下でのローライ社の新しい方向性とその後の独立
- ローライカメラのオークションやコレクターのコレクションなど、カメラファンにとっての興味深い映像コンテンツ
ローライクリック|ローライカメラブランドの歴史
2002年にメディアジョイから発売された「Rollei Click(ローライクリック) 日本語版 ローライでパチリ -あるカメラブランドの歴史-」の紹介をしたいと思います。
写真史のエポック、ローライの歴史の集大成とも呼べるDVDです。
「これを見ずにローライは語れない!」をキャッチコピーに、ニーダーザクセン州NDR(北ドイツ放送)映画振興補助金により製作されました。
ドイツカメラメーカーであるローライ社の創業から、戦中戦後、そして韓国サムスン資本下時代と、その離脱にいたるまでの歴史を、創業者一族や元従業員の証言と豊富な資料を元に、詳細に描いたドキュメンタリーフィルムとなっています。
その他、ローライカメラのオークションシーンや、コレクターの戸棚の中身、ローライのスライドマシンを使ったショーなど、カメラファンには興味深い映像を収録。
プロカメラマン田中長徳氏による作品紹介映像も収録されています。
※2019年現在でも、DVD版・VHS版ともに新品で入手可能です。
ローライの歴史をカメラのみにとどまらず、その背景にある社会、人、社会情勢まで含めて多角的に捉えた力作で、貴重な歴史的映像も豊富だ。
ドイツでは公共放送でも放映された映像が、日本語で視聴できるようになったのは喜ばしい。
彼もライカにもないこの完璧なカメラ史を、私はカメラを愛する全ての友人に強く推薦する。
私の知る限り、あのライカにもこれほど優れた映像によるヒストリーは存在しない…
-カメラ史研究家 高島鎮雄-
- 商品情報
- 収録内容
商品情報
- 商品名:ローライでパチリ -あるカメラブランドの歴史-
- 発売日:2002年8月8日
- 収録時間:本編62分
- 価格:DVD版 5,800円/VHS版 6,800円
- 製作:アクツィオーン・ユルゲン・ロッサウ・テレビプロダクション
- 販売:メディアジョイ
収録内容
- オークション
ドイツ、ケルンで年2回開催される有名なカメラオークション「ブレーカー」の様子。日本の有名コレクターの顔も見られます。 - シンガポール工場時代
コスト削減のため、シンガポールに大工場を設立し、カメラを生産する。 - 創業者達
ローライの創業者パウル・フランケとラインホルト・ハイデッケが会社を創業した当時のエピソードが語られます。未公開写真はカメラマニア必見の価値有りです。 - 歌うスライドレポーター
Rolleiのスライドプロジェクターを使用して、歌いながらのスライドショーは感動的です。 - ナチス時代
戦時中、軍需品会社として、ナチスの波に翻弄される。ローライフレックスのナチスモデルのプロトタイプデザインも登場。 - ローライコレクター
元ローライ社員によるコレクションは圧巻。ローライコレクターの棚の中身と自慢のコレクションを公開。ローライへの思い入れの深さには感動します。 - カメラ市
ハンブルクのカメラ市に集まるカメラコレクター達。 - 韓国サムスン資本下時代
韓国サムスン資本下で、デジタルカメラなど新しい方向性を模索。そしてその離脱に至るまで。新時代に立ち向かうローライ社の姿。苦悩しつつ明日へ発展するローライの姿を実感できます。 - 「Gala」カメラマン
有名ファッション誌「Gala」のカメラマンが6008Integralを使用してモデルを撮影。撮影の手際よさは大変勉強になります。
まとめ:ローライクリック|ローライ社の歴史
記事のポイントをまとめます。
- ローライはドイツのカメラメーカーである
- 創業者はパウル・フランケとラインホルト・ハイデッケ
- シンガポールに大工場を設立しコスト削減を図る
- 第二次世界大戦中は軍需品会社としてナチスに翻弄された
- ローライフレックスのナチスモデルのプロトタイプが存在する
- 元ローライ社員のコレクションが圧巻である
- ハンブルクのカメラ市でカメラコレクターが集まる
- 韓国サムスン資本下でデジタルカメラの開発を模索
- 有名ファッション誌「Gala」のカメラマンがローライのカメラを使用
- ドキュメンタリーフィルム「ローライでパチリ -あるカメラブランドの歴史-」が詳細な歴史を描く
- DVDとVHSで映像作品が発売されている
- ドイツ公共放送でも放映された映像が日本語で視聴可能