ローライコードⅤ・Ⅴa・Ⅴb
ここではローライコードの最終シリーズである「Ⅴ・Ⅴa・Ⅴb」の3つの機種について詳しく解説します。
ライトバリュー方式・ローライキンなど、操作性や機能性が向上したⅤシリーズ。
Ⅴbがローライコードの最終型となり、「金ぴか・アールデコ」と呼ばれるローライコードⅠの登場から約45年の歴史に幕を閉じました。
それではそれぞれを詳しく見ていきましょう。
ローライコードⅤ
1954年(昭和29年)に登場したローライコードⅤ。
この機種から絞りとシャッタースピードの値が連動して動く「ライトバリュー」が搭載されました。ライトバリューは「ビュー・撮影レンズ」の間にあるダイヤルに表示されています。
また、シャッタースピードが倍数系列となりました。
Ⅴの最大の特徴は「フォーカシングノブとフィルム巻き上げノブ」のダイヤルが共に右手側に配置されている事です。
右手だけで基本的な操作が可能であり、左手は本体を支えているだけで済むため操作が楽です。
Ⅴシリーズでこの仕様になっているのはこのモデルだけです。
ローライコードⅤa
1957年に(昭和32年)に登場したローライコードⅤa。
Ⅴからの変更点は専用のアダプターを装着することにより「6×6㎝」の12枚撮りの他、4.5×6㎝の16枚撮り、4×4㎝の16枚撮り、28×40㎜の24枚撮り、24×36㎜(ローライキン使用)と、様々なフォーマットに対応しました。
この仕様にするのためフォーカシングノブが左手側に移動となり、右手のみでの操作は出来なくなっています。
またⅤaにはレフトタイプ(1957年)とライトタイプ(1958年)の2タイプがあります。
レフトタイプとライトタイプの区別の仕方
- レフトタイプ:ライトバリュー値が撮影レンズのカバー左側に表示されている
- ライトタイプ:ライトバリュー値が撮影レンズのカバー右側に表示されている
※右側・左側の見方は「本体正面から向かって」
ローライコードⅤb
1962年(昭和37年)に登場したローライコードⅤb。

このモデルがローライコードの最終型です。
Vaからの主な改良点は、ローライフレックス3.5Fや2.8Fのようにファインダーフードが「片手で折り畳む」形状になりました。

また、ファインーフードの両側にあるボタンを押しながらスライドさせればフードの着脱が簡単に行えるので、ピントガラスの交換等が容易です。
Ⅴa同様にフォーカシングノブは左手側に設置されており、こちらも同じく2タイプあります。
タイプ1(1962-1966)、タイプ2(1966-1977)です。
タイプ1とタイプ2の区別の仕方

■タイプ1
- シンクロコンパーMXVシャッター
- シンクロ接点がM・X接点の2つ
■タイプ2
- シンクロコンパーXVシャッター
- シンクロ接点がX接点のみ
ローライコードⅤb(タイプ2)の製造が1977年に中止となり、ローライコードⅠから続いた「約45年」の歴史に幕を閉じることとなりました。
ローライコードⅤ|スペック
・名称:Rolleicord Ⅴ
・製造期間:1954-1957
・撮影レンズ:シュナイダークセナー75㎜ f3.5
・ビューレンズ:ハイドスコープアナスティグマット75㎜ f3.2
・シャッター:シンクロコンパーMXV/CR00 B・1~1/500秒
・サイズ:100×99×142
・重量:830g
・シリアルナンバー:1500000-1583999
ローライコードⅤa|スペック
・名称:Rolleicord Ⅴa
・製造期間:1957-1961
・撮影レンズ:シュナイダークセナー75㎜ f3.5
・ビューレンズ:ハイドスコープアナスティグマット75㎜ f3.2
・シャッター:シンクロコンパーMXV/CR00 B・1~1/500秒
・サイズ:100×99×142
・重量:830g
・シリアルナンバー:1584000-1943999
ローライコードⅤb|スペック
・名称:Rolleicord Ⅴb
・製造期間:1962-1977
・撮影レンズ:シュナイダークセナー75㎜ f3.5
・ビューレンズ:ハイドスコープアナスティグマット75㎜ f3.2
・シャッター:シンクロコンパーMXVorXV/CR00 B・1~1/500秒
・サイズ:100×99×142
・重量:940g
・シリアルナンバー:2600000-2645999/2647000-2677534