ローライフレックス3.5・2.8A・3.5A|戦後に発売された売上好調の3モデル

戦後のカメラ市場において、ローライフレックスはその名を不動のものとしました。

特にアメリカ市場での勝利により、ローライフレックス3.5、2.8A、3.5Aの3モデルは受注が殺到し、売上が好調であったことが記録されています。

この記事では、1949年から1951年にかけて製造されたこれらのモデルに焦点を当て、それぞれの特徴、技術的進歩、そして市場での受け入れについて詳しく解説します。

ローライフレックス戦後モデルは、その時代の技術革新と市場のニーズを反映した製品であり、今日でも多くのカメラ愛好家にとって重要な存在です。

それでは、これら3つのモデルがどのように異なり、どのように同じであるかを見ていきましょう。

記事のポイント
  1. ローライフレックス3.5、2.8A、3.5Aの各モデルが戦後のどの時期に製造されたか。
  2. これらのモデルがアメリカ市場でどのように受け入れられ、売上が好調であった理由。
  3. 各モデルの主要な技術的特徴とスペック。
  4. ローライフレックス戦後モデルのレンズやシャッターシステムに関する進化。

戦後に登場したローライフレックス3.5/2.8A/3.5A

ここでは1949年から1951年にかけて製造されたローライフレックス3.5/2.8A3.5Aの3モデルについて詳しく解説します。

3.5と3.5Aは同モデルに思われそうですが、この2つは別モデルになります。

また、2.8というモデルは存在せず、2.8シリーズの最初のモデルは2.8Aです。

それではこの3つのモデルをそれぞれ詳しく見ていきましょう。

  • ローライフレックス3.5
  • ローライフレックス2.8A
  • ローライフレックス3.5A
  • ローライフレックス3.5|スペック
  • ローライフレックス2.8A|スペック
  • ローライフレックス3.5A|スペック

ローライフレックス3.5

1949年(昭和24年)に登場したローライフレックス3.5。

ローライフレックス・オートマットをベースに「シンクロ接点」が追加となったモデルです。

後期のタイプでは35㎜フィルムが使用可能になる「ローライキン」が装着できるようになっています。

レンズは3タイプあり

  • カールツァイス・テッサー
  • オプトン・テッサー
  • シュナイダー・クセナー

第二次世界大戦後初のローライの二眼レフカメラで、勝利したアメリカ市場が好調で受注が殺到したそうです。

日本では4型と呼ばれており、アメリカではオートマットモデルXに分類されている

ローライフレックス2.8A

1949年(昭和24年)に登場したローライフレックス2.8A。

3.5と同年に登場した2.8Aは、戦後のアメリカ市場が好調なため発売となったモデルです。

レンズがf2.8と大きくなった、所謂「2.8シリーズ」の初代機。

また、レンズが大きくなった事によりバヨネットサイズが「2」となっています。

タイプ1はシンクロはX接点のみでしたが、タイプ2(1951年4月-8月)ではM・X接点に対応となり、裏蓋のプレートが固定式からスライド式に変更されています。

シャッターが00番から0番となる

ローライフレックス3.5A

1951年(昭和26年)に登場したローライフレックス3.5A。

前モデルの「3.5」をアメリカ市場向けに改良したモデルで、シンクロ接点の「M・X」を切り替えてが出来るようになっています。

タイプ1・タイプ2があり、タイプ1には「テッサー」、タイプ2は「クセナー」レンズが付いています。

タイプ2はビューレンズもシュナイダー製で、価格が多少安かったそうです。

アメリカではオートマットモデルMXに分類される

ローライフレックス3.5|スペック

スペック

・名称:Rolleiflex 3.5
・製造期間:1949-1951
・撮影レンズ:カールツァイス・テッサー/オプトンテッサー75㎜ f3.5/シュナイダークセナー75㎜ f3.5
・ビューレンズ:ハイドスコープアナスティグマット75㎜ f2.8
・シャッター:コンパーラピッドCR00 B・1~1/500秒
・サイズ:94×95×143
・重量:980g
・シリアルナンバー:1100000-1168999

ローライフレックス2.8A|スペック

スペック

・名称:Rolleiflex 2.8A
・製造期間:1949-1951
・撮影レンズ:カールツァイス・テッサー/オプトンテッサー80㎜ f2.8
・ビューレンズ:ハイドスコープアナスティグマット80㎜ f2.8
・シャッター:コンパーラピッドX/CR00 T・B・1~1/400秒/コンパーラピッドMX/CR0
・サイズ:94×104×143
・重量:1080g
・シリアルナンバー:1101000-1164999/1201000-1204999

ローライフレックス3.5A|スペック

スペック

・名称:Rolleiflex 3.5A
・製造期間:1951-1954
・撮影レンズ:カールツァイス・テッサー75㎜ f3.8/オプトンテッサー75㎜ f3.5/シュナイダークセナー75㎜ f3.5
・ビューレンズ:ハイドスマート75㎜ f2.8
・シャッター:シンクロコンパーラピッドMX/CR00 B・1~1/500秒
・サイズ:94×95×143
・重量:970g
・シリアルナンバー:1200000-1298999/1401000-1427999

まとめ:戦後に発売されたローライフレックス3モデル

以下にポイントをまとめます。

  • ローライフレックスは戦後のアメリカ市場で好調な売上を記録
  • 1949年から1951年にかけてローライフレックス3.5、2.8A、3.5Aの3モデルが製造された
  • ローライフレックス3.5はシンクロ接点が追加されたモデルで、後期タイプは35mmフィルム使用可能
  • 3.5Aはアメリカ市場向けに改良されたモデルで、シンクロ接点のM・X切り替えが可能
  • 2.8Aはレンズがf2.8と大きくなった初代2.8シリーズで、バヨネットサイズが「2」となった
  • 3.5Aの製造期間は1951年から1954年で、シャッターはシンクロコンパーラピッドMX/CR00 B・1~1/500秒
  • 3.5と2.8Aは1949年に登場し、それぞれ異なるレンズとシャッター速度を持つ
  • タイプ1とタイプ2の区分があり、タイプ1はテッサーレンズ、タイプ2はクセナーレンズが付属
  • タイプ2はビューレンズもシュナイダー製で、価格が多少安かった
  • ローライフレックス3.5は撮影レンズにカールツァイス・テッサー75mm f3.5を採用
  • 2.8Aは撮影レンズにカールツァイス・テッサー80mm f2.8を採用