ローライコードの二眼レフカメラは、その卓越した品質と革新的な設計により、長期にわたって写真愛好家から高い評価を受けてきました。
この記事では、特にロングセラーとなったモデル「ローライコードⅠa型とⅡ型」に焦点を当て、その魅力と歴史的意義を解説します。
1936年の登場以来、これらのモデルは多くの改良を経て、写真撮影の可能性を広げるとともに、品質の高さを保ち続けてきました。
ローライコードⅠa型は自動フィルム巻き上げの導入、Ⅱ型はピント合わせの容易さを向上させるルーペの装備など、それぞれが時代を超えて愛される理由を持っています。
この記事を通じて、ローライコードⅠaとⅡがロングセラーとなった理由を深く掘り下げていきます。
- ローライコードⅠa型とⅡ型がなぜロングセラーとなったのかの歴史的背景
- Ⅰa型とⅡ型の主要な技術的特徴と改良点
- Ⅰa型とⅡ型の生産期間とそれぞれのモデルの進化
- ローライコードⅠa型とⅡ型が写真愛好家にとってどのような価値を持つか
ロングセラーとなったローライコードⅠa型・Ⅱ型
ここではローライコードの中でも特にロングセラーとなった2機種を紹介・解説します。
長く生産されたこともあってタイプもたくさん登場しており、Ⅱ型にいたってはタイプ6まで存在しています。
- RolleicordⅠa:1936-1945(9年間生産)
- RolleicordⅡ:1936-1950(14年間生産)
- ローライコードⅠa
- ローライコードⅡ
- ローライコードⅠa|スペック
- ローライコードⅡ|スペック
ローライコードⅠa
アールデコと呼ばれる初代ローライコードⅠが登場した3年後の1936年(昭和11年)に発売されたⅠa型。
Ⅰ型からの改良点はフィルムの巻き上げが自動化になったことです。
一番最初に「赤窓」にフィルム番号の➀を表示されてセットするまでは手動となりますが、それ以降の巻き上げは自動でストップするようになっています。
1937年にはタイプ2が登場。ファインダーフード前面が透視ファインダーとして使用可能となりました。
さらに翌年の1938年にはタイプ3が登場し、ネームプレートの書体が初期のものから大文字の「ROLLECORD」タイプ(浮き彫り)に変更されました。
ローライコードⅡ
ローライコードⅡ型はⅠaが発売された同年(1936年)に登場しています。
フード背面に被写体を拡大して確認できる「ルーペ」が取り付けられたため、ピントが合わせやすくなっています。
また、生産期間14年間で6モデルと、ローライコードの中で一番多くのタイプが存在しています。
※タイプごとの特徴は以下の通り。
タイプ1(1936年)
- ネームプレートの文字デザインが初期の書体
タイプ2(1937年)
- ネームプレートの文字デザインが初期の書体
- ダルマ型のレンズカバーが付いている
- シャッタースピード・絞りの値を小窓に表示された
- 撮影レンズのみバヨネットが付いている
タイプ3(1938年)
- ネームプレートの文字デザインが浮き彫りタイプとなる
- 撮影レンズのみバヨネットが付いている
タイプ4(1938年)
- ビュー・撮影レンズ共にバヨネットが付いている
タイプ5(1947年)
- シャッターがコンパーラピッドになり、最速1/500秒となる
- レンズが「トリオタータイプ」と「クセナータイプ」がある
タイプ6(1949年)
- シャッターがC00からCRX00となっている
ローライコードⅠa|スペック
・名称:Rolleicord Ⅰa
・製造期間:1936-1945
・撮影レンズ:カール・ツァイス トリオター75㎜ f4.5
・ビューレンズ:ハイドスコープアナスティグマット75㎜ f4.5
・シャッター:コンパーC00 B・T・1~1/300秒
・サイズ:85×90×135
・重量:811g
・シリアルナンバー:1760000-1947000/1944911-2183000
ローライコードⅡ|スペック
・名称:Rolleicord Ⅱ
・製造期間:1936-1950
・撮影レンズ:カール・ツァイス トリオター75㎜ f3.5/シュナイダークセナー75㎜ f4.5/3.5
・ビューレンズ:ハイドスコープアナスティグマット75㎜ f3.2
・シャッター:コンパーC00 B・T・1~1/300秒/コンパーラピッドCR00 B・1~1/500秒
・サイズ:91×94×138
・重量:793-815ℊ
・シリアルナンバー:613000-1135999/1758000-2124000
まとめ:ロングセラーとなったローライコード
記事のポイントをまとめます。
- ローライコードⅠa型とⅡ型は特に長期にわたり生産されたロングセラーモデルである
- ローライコードⅠa型は1936年から1945年にかけて生産され、フィルム巻き上げの自動化が特徴
- Ⅱ型は1936年から1950年にかけて生産され、6つの異なるタイプが存在
- Ⅱ型はフード背面にルーペを装備し、ピント合わせが容易になった
- Ⅱ型タイプ1は初期の書体デザインを採用し、タイプ2からは小窓にシャッタースピードと絞り値を表示
- タイプ3ではネームプレートの文字デザインが浮き彫りタイプに変更された
- タイプ4からはビュー・撮影レンズにバヨネットが付いた
- タイプ5ではシャッターがコンパーラピッドになり、最速1/500秒を実現
- タイプ6ではシャッターがC00からCRX00に変更された