この記事では、1932年に登場した「ローライフレックス・スタンダード」について詳しく解説しています。
このモデルはローライフレックスの基本形として知られており、6×6版ローライフレックスとしてはオリジナルの次のモデルに位置づけられています。
特に注目すべきは、6×6版としては初めて「巻き上げクランク」が採用された点であり、これによりスタンダード以降の全ての機種に巻き上げクランクが採用されることとなりました。
この記事を通して、ローライフレックス・スタンダードの魅力とその歴史的背景を深く探っていきましょう。
- ローライフレックス・スタンダードの登場時期とその前のオリジナルモデルとの関係。
- 6×6版として初めて巻き上げクランクが採用された特徴。
- ベビーローライ Type.1 との関連性とそのベースとしての役割。
- スタンダードモデルでのフィルムの巻き上げの自動化とそのメカニズム。
ローライフレックスの基本形モデル|スタンダード
![](https://rollei-tlr-cameras.info/wp-content/uploads/2018/10/IMG_389212.jpg)
1932年(昭和7年)に登場した「ローライフレックス・スタンダード」は、6×6版ローライフレックスとしては1929年に登場したローライフレックス・オリジナルの次のモデルになります。
6×6版としては初の巻き上げクランクが採用された機種であり、スタンダード以降の全ての機種(6×6版flex)に巻き上げクランクが採用されることになります。
- ベビーローライType.1がベース
- フィルム巻き上げが自動に
- ネームプレートのロゴが大文字に変更
- ローライフレックス・スタンダード|スペック
ベビーローライType.1がベース
「6×6版としては」と前述しているように、スタンダードよりも先に巻き上げクランクを搭載した機種が1931年(昭和6年)に登場した「ベビーローライ Type.1」です。
4×4版のベビーローライType.1をベースにして、6×6版に改良したのがスタンダードになります。
また、120フィルムと620フィルムが使用できるようになったのもスタンダードからです。
巻き上げクランクの他、ビューレンズ上部には「絞り・シャッタースピード」を表示する窓、そして120フィルムが使用可能となっていることから、スタンダードという名前の通りローライフレックスの基本形となったモデルです。
フィルム巻き上げが自動に
前モデルのオリジナルではフィルムの巻き上げは一枚一枚「赤窓」に表示される数字を確認しながら行うものでしたが、これがスタンダードでは自動化されています。
最初にフィルムを装填してからの一枚目こそ手動(赤窓に➀を表示する)ではあるのですが、それ以降は自動となりクランクを巻けば自動でストップする機構になっています。
オリジナルでは赤窓を常に確認する必要があるため、本体背面の見やすい位置に配置されていましたが、スタンダードでは本体底部(三脚穴横)に移動しています。
これは➀番を合わせた以降は確認する必要がないため、見づらい位置にあっても問題がないためです。
ネームプレートのロゴが大文字に変更
独特な書体の「Rolleiflex」のロゴは、スタンダード以降は「ROLLEIFLEX」と大文字での表記に変わり、2.8Fまで続くことになります。
ローライフレックス・スタンダード|スペック
- 名称:Rolleiflex Standard
- 製造期間:1932-1938
- 撮影レンズ:カール・ツァイス・イエナ テッサー75㎜ f4.5/f3.8/f3.5
- ビューレンズ:ハイドスコープアナスティグマット75㎜ f3.1
- シャッター:コンパーC00 T・B・1~1/300秒(前期)コンパーラピッドCR00 T・B・1~1-500秒(後期)
- サイズ:90×90×135
- 重量:780g
- シリアルナンバー:200000-567000
まとめ:巻き上げクランクを初採用したローライフレックススタンダード
記事のポイントをまとめます。
- ローライフレックスの基本形モデルはスタンダードである
- 1932年に登場し、オリジナルの次のモデルとなる
- 6×6版としては初の巻き上げクランクを採用
- ベビーローライ Type.1 がベースとなっている
- 120フィルムと620フィルムが使用可能
- ビューレンズ上部に「絞り・シャッタースピード」を表示する窓がある
- フィルム巻き上げが自動化されている
- オリジナルでは赤窓を常に確認する必要があったが、スタンダードでは不要
- ロゴは「ROLLEIFLEX」と大文字での表記に変わる
- 製造期間は1932-1938
- 撮影レンズはカール・ツァイス・イエナ テッサー75㎜
- シャッターはコンパーC00 T・B・1~1/300 秒(前期)とコンパーラピッド CR00 T・B・1~1-500 秒(後期)