1955年、写真愛好家たちの間で一つのマイルストーンとなったカメラが登場しました。
その機種が「Rolleiflex 2.8D」であり、先代モデル2.8Cにライトバリューシステムを搭載したことで、写真撮影の精度と便利さを大きく向上させた改良機です。
この記事では、ローライフレックスにライトバリューの概念を取り入れたものの、販売期間わずか1年という短命に終わったローライフレックス2.8Dについて解説します。
- ローライフレックス2.8Dはライトバリューシステムを搭載した改良型であること
- ライトバリューシステムの採用が2.8Cモデルとの主な違いであること
- ライトバリューシステムによる具体的な改良点
- ライトバリューシステムの利点
ローライフレックス2.8D|ライトバリューシステムを採用
ここではローライフレックス2.8Dについて詳しく解説します。
1955年(昭和30年)に登場した「Rolleiflex 2.8D」は、2.8Cにライトバリューシステムを搭載した改良機です。
販売期間はわずか1年で生産台数も少なく、短命となったモデルです。
- 2.8Dと2.8Cとの違い
- ローライフレックス2.8D|スペック
2.8Dと2.8Cとの違い
2.8Cとの違いはライトバリューシステムの採用により、レンズ右上にMX接点の切り替えレバー(セルフタイマー兼用)が付き、シャッタースピードダイヤルにライトバリュー値が表示され、その他細かい機能が改良されています。
両機種の外観はほぼ同じです。
シャッターリレーズロックバー&シンクロ接点部のロックが「金属製」となり、強度が増しています。(※2.8Cは「プラスチック製」で壊れやすかった)
また、ボディ背面に付いていたLV(EV)テーブルは数字だけのものから、イラストも表記されるようになり、直感的に分かりやすくなっています。
なお、2.8Cには「絞りとシャッタースピードダイヤル」に安全ロック機構が備わっていましたが、2.8Dでは取り除かれています。
ローライフレックス2.8D|スペック
・名称:Rolleiflex 2.8D
・製造期間:1955-1956
・撮影レンズ:カールツァイス・プラナー80㎜ f2.8/シュナイダークセノタール80㎜ f2.8
・ビューレンズ:ハイドスマート80㎜ f2.8
・シャッター:シンクロコンパーMXV/CR0 B・1~1/500秒
・サイズ:105×99×146
・重量:1140g
・シリアルナンバー:1600000-1620100
まとめ:ライトバリューシステムを搭載したローライフレックス2.8D
記事のポイントをまとめます。
- ローライフレックス 2.8Dはライトバリューシステムを搭載した改良機
- 1955年に登場し、販売期間は1年と短命だった
- 2.8Cモデルからの主な変更点はライトバリューシステムの採用
- レンズ右上にMX接点の切り替えレバーが追加された
- シャッタースピードダイヤルにライトバリュー値が表示されるようになった
- 外観は2.8Cとほぼ同じ
- 絞りダイヤルにはライトバリュー連動をキャンセルするボタンがある
- シャッターリレーズロックバーとシンクロ接点部のロックが金属製で強度が増した
- ボディ背面のLV(EV)テーブルがイラスト表記で直感的に分かりやすくなった
- 2.8Cの安全ロック機構が2.8Dでは取り除かれた
- 撮影レンズはカールツァイス・プラナーまたはシュナイダークセノタール 80mm f2.8
- 重量は1140g