ここではローライフレックスの「分解・洗浄」する方法を解説していきます。
愛機のメンテナンスを自分でしたい方は参考にして頂きたいと思いますが、二眼レフカメラ等クラシックカメラの「修理」はプロにお願いしましょう。
ローライの現在の修理状況
ロイカメラサービス
ローライフレックスの修理で有名なのが「ロイカメラサービス」と言うカメラ屋さん。
この知る人ぞ知るカメラ屋さんが埼玉県にありましたが、残念ながら2018年3月で閉店となっています。
駒村商会
日本人で唯一、ローライ社で研修を受け「ローライ技術認定書」を持っている「本田直之」さんが在籍している駒村商会(東京都)。
ただし現在、駒村商会はローライの総代理店では無くなっているので、現在でも修理を受け付けているかは不明。
F型以前は修理不可
ロイカメラサービス・駒村商会ともに共通していたのが、F型以前の機種の修理は受け付けていないことです。
F型以前の機種では既に部品が入手不可能であり、技術はあっても部品が無くては修理できないわけです。
また、ローライ認定のリペアマンである本田さんでさえもF型の「レストア・メーターの修理」は不可とされています。
全て自己責任でお願いします。
元々壊れている「ジャンク品」などを安く購入して、チャレンジしてみる分には良いかと思います。
- 精密ドライバー
- ピンセット
- 無水エタノール
- キムワイプ
- ベンジン
- グリス
- 筆
本体側面の分解方法
①絞り・シャッタースピードを調整
まず、最初に「絞りを22」、「シャッタースピードを1/500秒」にします。
この設定にすることによってカメラに無駄な負担がかからなくなります。
※通常の保管時にも、この設定にしておくことをオススメします。
②革を剥がす
張り革を剥がします。
ちなみに革を剥がさないで分解することは不可能です。
革は無理やり剥がすとボロボロになってしまいます。革はまた使うので、「無水エタノール」を滲み込ませて剥がしやすくしておきます。
「ピンセット」を使用して剥がします。
③露出計を外す
露出計が付いている機種の場合は露出計を「精密ドライバー」を使って取り外します。
④クランクレバーを外す
クランクレバーの外し方は、レバー根元にある「蝶番」の「芯」を精密ドライバーを使用して打ち出せば外れます。
⑤各部のネジを外す
後は各部を止めているネジを精密ドライバーで全て外せば、側面のカバーを外すことができます。
中は歯車だらけなので、その仕組みに圧倒されると思います。
本体前面の分解方法
①革を剥がす
側面と同じく、張り革を剥がします。
②各部のネジを外す
革を剥がして、ネジを外せばもうカバーが外れます。
③レンズを外す
レンズはネジ状に締まっているだけなので、回せば外れます。
後はフォーカシングフード&スクリーン、ネームプレートを必要に応じて外せば分解は完了です。
基本的な分解はここまでです。プロでもこれ以上の分解はあまりやりません。
(※内部のメカニズム機構まで分解するとなると、プロでも1日かかる)
部品を洗浄する
①汚れを拭き取る
カメラ店で購入できる「キムワイプ」と言う専用ペーパーに”ベンジン”を滲み込ませて、各部品の汚れを拭き取ります。
また、Amazon等のネット通販でも購入可能です。
②グリスを塗る
各部品の汚れを拭き取ったら、次にグリスを塗るのですが、ローライの部品には専用のグリスが存在します。
専用のグリスは、あの「カール・ツァイス」製の製品で、ローライが指定した修理業者にしか供給されません。
なので、一般人が入手するのは不可能です。
ローライ部品の材質を元に作られているグリスのようで、それ以外の一般のグリスを塗ると「腐食」するとされていますから注意して下さい。
③洗浄にシンナーは使用しない
部品の洗浄にシンナーは使わない方がいいです。
部品の素材によってはシンナーによって変形してしまう恐れがあるので、ベンジンを使用しましょう。
くれぐれも”タワシやブラシ”等は使用せず、筆や指などを使って洗うと良いです。
④ベンジンの拭き取り
一通り部品の洗浄が終わったら、再びキムワイプを使用してベンジンを拭き取ります。
最後にラチェット軸にグリスを塗って、元に戻せば完了です。
終わりに
ローライフレックスの分解・洗浄方法を大まかに解説しました。
くれぐれも撮影に使用している大切なローライフレックスを興味本位で分解しないようにして下さい。
中の機構を見るだけなら、革を剥がしてネジを外すだけなので簡単ですが、素人は歯車には触らない方がいいです。
バラして遊ぶのはジャンク品にしましょう!
最後に一番簡単に中の機構が見れるのは「ローライマジック」です。
ローライマジックの全面には元々革が張られていないので、ネジを外すだけでカバーが外れますよ!