この記事では、ローライコードⅢとⅣのモデルについて、その特徴について詳しく解説します。
ローライコードⅡからの進化としては、フィルム装填の改良が挙げられ、オートマット式の採用により使い勝手が大幅に向上しました。
特に、35㎜フィルムを使用できるようになった「ローライキン」の装着可能性は、これらのカメラモデルの大きな魅力の一つです。
しかし、ローライコードⅡが長期にわたって生産されたのに対し、ⅢとⅣの生産期間はそれぞれ短く、特にⅣはわずか1年で生産終了となりました。
この記事を通じて、これら2つのモデルの魅力に迫ります。
- ローライコードⅢとⅣのモデルがローライキンに対応していること
- ローライコードⅢとⅣの主な改良点としてオートマット式のフィルム装填が導入されたこと
- ローライコードⅣで多重露光撮影が可能になったこと
- ローライコードⅢ・Ⅳは共に生産期間が短く短命に終わったこと
ローライコードⅢ・Ⅳ|ローライキンが使用可に
ここでは「ローライコードのⅢ・Ⅳ」のモデルについて詳しく解説します。
ローライコードⅡからの主な改良点はフィルムの装填に「オートマット式」が採用されたことです。これにより使い勝手が格段に向上しました。
また、Ⅲからは35㎜フィルムが使用可能になる「ローライキン」が装着可能となっています。
しかし、Ⅱの生産期間が14年とロングセラーとなったのに対して、Ⅲは3年、Ⅳは1年で生産終了となりました。
それでは、2つのモデル詳しく見ていきましょう。
- ローライコードⅢ
- ローライコードⅣ
- ローライコードⅢ|スペック
- ローライコードⅢ|スペック
ローライコードⅢ
1950年(昭和25年)に登場したローライコードⅢ。
フィルムの装填では120フィルムの規格が統一されてことにより、Ⅱまで採用されていた「赤窓方式」を廃止して「オートマット式」となりました。
ローライコードで30㎜フィルムが使用可能となる「ローライキン」が装着できるようになったのが、このモデルからです。
1952年からのタイプ2では、ローライキン用に裏蓋の圧板がスライドするように改良されています。
また、シンクロ接点が「撮影レンズの右下」に新設されています。
ローライコードⅣ
1953年(昭和28年)に登場したローライコードⅣ。
Ⅳでは「多重露光」撮影が可能となり、専用のノブが新設されました。
また、Ⅲ型と比べて各ノブのサイズが大きくなっているので操作性も向上しています。
さらに「シンクロ接点」がM接点に加えてX接点が増設され、レバーで切り替えができるように改良されています。
- M接点:フラッシュバルブ接続
- X接点:ストロボ接続
このM・X接点の切り替えレバーが付いているのはローライコードⅣのみなので、レバーの有無が他モデルと区別する際のポイントでもあります。
個人的な印象ではありますが、ローライコードシリーズの中で一番人気があるのは「Ⅳ」だと思っています。
ローライコードⅢ|スペック
・名称:Rolleicord Ⅲ
・製造期間:1950-1953
・撮影レンズ:シュナイダークセナー75㎜ f3.5/カールツァイス・トリオター75㎜ f3.5
・ビューレンズ:ハイドスコープアナスティグマット75㎜ f3.2
・シャッター:コンパーラピッドX/CR00 B・1~1/500秒/シンクロコンパーMX/CR00 B・1~1/500秒
・サイズ:97×99×142
・重量:830g
・シリアルナンバー:1137000-1199999/1300000-1344050
ローライコードⅣ|スペック
・名称:Rolleicord Ⅳ
・製造期間:1953-1954
・撮影レンズ:シュナイダークセナー75㎜ f3.5
・ビューレンズ:ハイドスコープアナスティグマット75㎜ f3.2
・シャッター:シンクロコンパーMX/CR00 B・1~1/500秒
・サイズ:97×99×142
・重量:830g
・シリアルナンバー:1344051-1390999
まとめ:ローライキンが使えるようになるも短命に終わったローライコードⅢ・Ⅳ
記事のポイントをまとめます。
- ローライコードⅢとⅣはフィルム装填にオートマット式を採用し使い勝手が向上
- ローライキンは35㎜フィルム使用を可能にする装置で、Ⅲ以降のモデルに装着可能
- ローライコードⅡは14年間生産されたが、Ⅲは3年、Ⅳは1年で生産終了
- ローライコードⅢは1950年に登場し、120フィルムの規格統一により赤窓方式を廃止
- ローライコードⅢのスペックにはシュナイダークセナーやカールツァイスのレンズが含まれる
- ローライコードⅣは1953年に登場し、多重露光撮影が可能になった
- Ⅳモデルは操作性向上のため各ノブのサイズを大きくなっている
- ローライコードⅣにはM接点とX接点のシンクロ接点があり、レバーで切り替え可能
- ローライコードⅣのみがM・X接点切り替えレバーを備え、他モデルと区別するポイント