1956年に登場した「ローライフレックス3.5C/E」は、その革新的なセレン式電気露出計で写真愛好家たちの注目を集めました。
この3.5C/Eは、ローライフレックスシリーズの歴史において、技術的な飛躍を象徴するモデルです。
ネームプレート下に設置された受光体は、このカメラのアイコニックなデザイン要素となり、操作性の向上とともに、視覚的な魅力をもたらしています。
大型化されたスプールノブやフォーカシングノブ、新しくなったストラップの取付金具など、細部にわたる改良が施されたこのモデルは、使い勝手と機能美を兼ね備えています。
バヨネットサイズⅡ型を採用し、さまざまなバリエーションを展開するローライフレックス 3.5C/Eは、セレン式露出計を使用した撮影の新たな地平を開いたのです。
- ローライフレックス 3.5C/Eがセレン式電気露出計を初めて搭載したモデルであること
- 露出計の読み取り方である「ハイ」と「ロー」の値の切り替え方法
- フォーカシングノブの感度調整と露出設定の操作手順
- ローライフレックス 3.5C/Eのデザインと機能のバリエーション
ローライフレックス3.5C/E|セレン式電気露出計を初搭載
ここではローライフレックス3.5C/Eについて詳しく解説したいと思います。
1956年(昭和31年)に登場したRolleiflex 3.5Cは、ローライフレックスシリーズ初となるセレン式電気露出計を搭載したモデルになります。
ネームプレート下に設置された受光体が特徴的なデザインとなりました。
このデザインの好みは人それぞれで、付いていない方が好きだと言う人もいます。
スプールノブ、フォーカシングノブが大型化され、フォーカシングノブには深度スケールが装備されています。
また、ストラップの取付金具が新しくなり、所謂「カニ爪式」となりました。
バヨネットサイズはⅡ型です。
- バリエーションは「4タイプ」
- セレン式露出計を使用した撮影方法
- ローライフレックス3.5C/E|スペック
バリエーションは「4タイプ」
まず、最初にプラナーを搭載して登場したのが「タイプ1」で、次にクセノタールを搭載したモデルが「タイプ2」になります。
1959年にはファインダーフード&ピントグラスが取り外し可能になった「タイプ3(3.5E2)」が登場し、1961年にはセルタイマーの位置が変わり、レバー式に変更となったモデル「タイプ4(3.5E3)」が登場しました。
セレン式露出計を使用した撮影方法
- フォーカシングノブの感度を合わせる
- ネームプレート下に設置されているセレンセルの「ハイ・ロー」を切り替えて選ぶ
- カメラを被写体に向け、メーターダイヤルを回して追針する
表示はライトバリュー値。
ハイは上の数字で、ローは赤文字を読み取る。
ローライフレックス3.5C/E|スペック
・名称:Rolleiflex 3.5C/E2/E3
・製造期間:1956-1959
・撮影レンズ:カールツァイス・プラナー75㎜ f3.5/シュナイダークセノタール75㎜ f3.5
・ビューレンズ:ハイドスマート75㎜ f2.8
・シャッター:シンクロコンパーMX/CR00 B・1~1/500秒
・サイズ:111×96×146
・重量:1120g
・シリアルナンバー:1740000-1787999/1850000-1868999
まとめ:セレン式電気露出計を搭載したローライフレックス3.5C/E
記事のポイントをまとめます。
- ローライフレックスシリーズ初のセレン式電気露出計を搭載したモデルは1956年に登場
- ローライフレックス 3.5Cは受光体が特徴的なデザインを採用
- フォーカシングノブに感度を合わせる操作が必要
- セレンセルの「ハイ・ロー」を切り替えて露出を選択
- メーターダイヤルを回して追針することで露出を決定
- 露出の表示はライトバリュー値で読み取る
- 「ハイ」は上の数字、「ロー」は赤文字で露出値を読み取る
- スプールノブ、フォーカシングノブが大型化されている
- フォーカシングノブには深度スケールが装備
- ストラップの取付金具は「カニ爪式」に変更された
- バヨネットサイズはⅡ型を採用
- モデルには「4タイプ」のバリエーションが存在
- タイプ1はプラナーを、タイプ2はクセノタールを搭載